4. 超軽量構造物の展開特性に関する研究

インフレータブル構造は規則的な折り目をつけることで、展開だけでなく収納の安定性も得ることができます。本研究では、実験やシミュレーションから、効果的な折り畳み方を解明していきます。インフレータブル構造物は展開挙動の予測が困難であるという特徴を持っており、展開して円筒形状になるインフレータブルチューブだけでも様々な折り畳み方法が考えられています。そこで、折り畳み方法の違いによる展開挙動を実験と解析により比較検討し、安定的な展開挙動をもたらす要因や特徴を明確にしていきます。展開特性の評価にあたっては、解析モデルの確立と妥当性を検証し、折り畳み方法と挙動安定性の関係を明確にしていきます。インフレータブルチューブを組み合わせて立体構造物を作る場合、チューブ同士を連結する部品が必要になります。一般的に棒材を連結して組み立てる場合、多面体ブロック形状の部品が使われますが、収納の妨げになります。そこで、収納容積を抑えるために、ポリイミドフィルムを使ったジョイントシステムの開発を目標とします。また、独自開発したジョイントを用いて立体構造物を試作し、構造的な強度や適合性を検証します。

[2012年度卒業研究]
研究テーマ:先端に膜材料を取り付けたインフレータブルチューブの展開特性評価

宇宙ステーションや宇宙における植物工場などの電力供給のためには巨大な太陽電池パネルを宇宙で展開させることが必要になります。このような用途を想定し、巨大な太陽電池パネルを地上から宇宙に打ち上げ、微小重力環境の下で展開させ組み立てるためのインフレータブルチューブの適用法について検討します。また、その適用法の妥当性を検討するための部分構造物を試作し展開特性を評価します。