6. インフレータブル式アクチュエータを用いた超軽量伸展マストに関する研究

リールに巻いたCFRPの細長い板をほどきながら伸展させると筒状の構造物になります。その伸展力を、通常使うモータではなく、薄い袋に気体を導入して膨らませることによって得ようとしています。この原理を使用したものは、2012年度に宇宙ステーションで実験が予定されています。本研究では、この原理によるプロトタイプモデルを使って、伸展速度が一定になるような伸展を行わせることを目指します。インフレータブルアクチュエータは、収納時の不規則な皺や、伸展部材と支持部との摩擦により不規則な伸展を行うことがあります。そこで、流量計で測定した流量と伸展部材が巻き取られたリールの回転角度をフィードバックし、マイコンのPWM制御により電磁バルブの開閉率を制御し、均一な速度での伸展を行わせます。インフレータブル式アクチュエータを使用した伸展マストは、マストを送り出す機構に付随する摩擦や、アクチュエータの動作に伴う不連続性によって、伸展速度が変動します。この伸展速度の変動を抑制するためには、実際の伸展速度を必要な精度で測定し評価しなくてはなりません。そこで、加速度センサによる加速度の計測、リールの回転数の計測、光学計測などの方法について、計測精度や特徴を調べ、伸展速度の変動を測定する方法の確立を目指します。