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2020年10月12日〜14日にオンラインで開催されたで71st International Astronautical Congress (IAC)で研究室の大学院生が発表を行いました。

2020年10月12~14日に開催された、71th International Astronautical Congress (IAC)で、「Shape Control of Solar Sails using Selective Operation of Membrane Mounting SMA Wires(ソーラーセイル膜面に実装したSMAワイヤの収縮箇所の切り替えを利用した形状制御)」と題して研究発表を行いました。IACは、アストロダイナミクスをはじめ、宇宙構造・材料や宇宙探査ロボット、宇宙システムなど、宇宙に関係した幅広い研究発表が行われる国際会議です。私の研究では、ソーラーセイルの膜形状制御を目的としています。ソーラーセイルは、宇宙空間で大面積の膜を展開し、太陽輻射圧(Solar Radiation Pressure : SRP)を受けて推進する宇宙機です。ソーラーセイルは膜形状の変化に応じたSRPトルクが生じるため、長期間の運用を実現するためには、膜形状の制御が必要になります。そこで、私の研究では、SMAワイヤという加熱することで収縮するアクチュエータをセイル膜面の複数個所に取付け、動作させることで、セイル全体の形状を制御することを提案しました。発表では、SMAワイヤによる膜形状解析と簡易実験の比較と、SMAワイヤの収縮箇所に応じた膜形状解析と形状に応じたSRPトルクの計算結果について発表しました。これにより、膜面に取り付けたSMAワイヤの収縮箇所に応じた膜変形とSRPトルクの関係性を明らかにしました。
今回の発表に向けた研究では、ソーラーセイルの構造的解析にとどまらず、その構造的特徴を利用したトルク制御などの新しい知識を身につけることができました。また、今年度の発表は、動画形式での発表ということで、限られた時間の中で、研究内容を理解してもらえるように、資料作成や発表を心掛け、多くのことを学ぶことができました。この経験を糧として、修士研究に励みたいと思います。(大学院2年生・高橋秀幸)