· 

2018年7月10日〜13日にカナダで開催されたで15th International Space Conference of Pacific-basin Societies (ISCOPS)で研究室の大学院生が発表を行いました。

2018年7月10~13日にカナダのモントリオールにあるMcGill Univ.で開催された、15th International Space Conference of Pacific-basin Societies (ISCOPS)で「A Study on Shape and Stiffness Control of Large Scale Membrane Structure using Membrane Device(膜面デバイスを用いた大型膜構造の形状と剛性の制御に関する研究)」と題して研究発表を行いました。ISCOPSはアストロダイナミクスをはじめ、宇宙構造・材料や宇宙探査ロボット、宇宙システムなど、宇宙に関係した幅広い研究発表が行われる国際学会です。私の研究ではソーラー電力セイルであるIKAROSをモデルにした膜面構造物の形状について解析しています。ソーラーセイルIKAROSは、薄膜の膜面をヨットの帆のように大きく広げることで太陽光圧を受けて推進しています。その大きな膜面には薄膜太陽電池を始めとする薄膜のデバイスが貼付されています。通常膜面は平らな状態で航行するため、まっすぐ進むのですが、貼付されている薄膜デバイスの反りによって、膜面全体の形状が平らな四角形ではなくなってしまうことが考えられています。そこで私の研究では、薄膜デバイスの反りが膜面全体に与える形状変化から、太陽光圧によってどのような姿勢の変化があるかを解析しています。この研究によって今後打ち上げられるソーラー電力セイルの製作方法(例えばデバイスの貼付位置や方向)や、姿勢制御方法について新たな知見が生まれると考えられます。
今回学会で発表した内容は、これまでとは異なる新たな解析方法を使った結果が中心であり、発表に向けて多くの新しい知識を身につけることができました。また、初めての学会発表かつ国際学会での発表でしたので、英語でよりわかりやすい発表、資料の作り方など技術面の他に学ぶことが多くありました。また外国の方の発表から、技術的、学術的に新しい宇宙技術の知見を得ることができ、学会準備から発表まで有意義な時間となりました。海外で発表できたことで、成長と自信に繋がりました。(大学院2年生 加藤陸史)